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和歌・吹く風を(わか・ふくかぜを) -源平期-

和歌・吹く風を(わか・ふくかぜを)源義家

和  歌  ・吹く風を    源義家   

吹く風を 勿来な こそ  のせ きと思 へども 
み ち  に散 る
 山桜や まざくらかな    

源義家

源義家

『後三年合戦絵詞』の源義家

『後三年合戦絵詞』の源義家

「風よ、吹くなかれ」と歌った武将の心は?

作者の源義家(1039〜1106)は、平安中期の武将で、鎌倉幕府を開いた源頼朝の曾曾祖父にあたる人物です。石清水八幡宮で元服したことから「八幡太郎」、「八幡公」と呼ばれ、現在も毎年5月の端午の節句で男の子の成長を願って飾る武者人形として高い人気があります。この和歌は平安時代末期に編纂された『千載和歌集』に収録されています。千載和歌集には優美典雅な趣の中にも無常観や静寂な境地が詠みこまれた作品が多く、本作品もその一つといえるでしょう。

義家は、前九年の役にて父・源頼義とともに戦い、後三年の役では陸奥守として参戦しました。詩文にある「勿来の関」というのは福島県にある関所で、「来るなかれ」(来てはいけない)という意味です。義家は、山桜が風に吹かれて花びらが美しく散り舞う様子を、戦で多くの侍の命が散っていく様子と掛けて、「風よ、吹くなかれ」と詠んでいます。

振付例としては、前半は花びらが散る様を扇で美しく表現します。後半は戦の様子を斬り付けや刀技で表し、最後は赤い扇子で血しぶきを表すなどして、倒れた戦友の上にも花びらが舞い散る様子を演じます。

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